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2010年06月20日

古文の受験勉強 その5

さて。

「明けなんと思ひつつ」が終わったので、次は「ゐたりけるに」の品詞分解。
                                 ぽん!〜国語の勉強法あれこれ〜
一番上の「ゐ」は、古文の文法の歌 その1  に出てきた

「ひ・い・き・に・み・ゐル、かへりみる」の「ゐ」ルだ。

だから、上一段活用動詞。


ゐは「わゐうゑを」の「ゐ」なので、ワ行。


問題なのは活用形。

上一段動詞は、「イ・イ・イル・イル・イレ・イヨ」と活用する。

ということは、「ゐ」は未然形と連用形の二つの可能性がある。

そこで、下を見てみる。

下にあるのは「たり」。


「たり」は次の可能性がある。


A 完了・存続の助動詞「たり」

   →連用形に接続

B 断定の助動詞「たり」

   →体言に接続

C タリ活用形用動詞の活用語尾

   →上の語が音読みの漢語で、主語にならない

 

今回、「たり」は体言や、音読みの漢語ではなく、

「ゐ」という上一段活用動詞にくっついている。

したがって、この「たり」は、Aの完了・存続の助動詞。

完了・存続の助動詞「たり」は、

古文の文法の歌 その2  から連用形接続ということがわかる。

だから「ゐ」はワ行上一段活用動詞連用形


で、この「たり」だけど、完了か存続かわかる?


その判断は文脈でするしかない。

完了なら「〜た」「〜しまう」「〜てしまった」

存続なら「〜ている」「〜てある」


ここでの「たり」は単独ではなく、「たりける」という形で登場している。

この「ける」は、どう考えても過去の助動詞「けり」の連体形。

「たり」は、過去の助動詞にくっついて出てきているんだ。

訳すと、「思い続けていた」とするのが自然。

したがって、完了の「たり」ということになる。


さて。

過去の助動詞「けり」は、

古文の文法の歌 その2  から連用形接続。

だから「たり」は、完了の助動詞「たり」の連用形

ついでに「ける」は、過去の助動詞「けり」の連体形

                    
書き込むと、こんな感じ。               ぽん!〜国語の勉強法あれこれ〜

 

posted by みちこ at 00:33| Comment(0) | 古文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月18日

古文の受験勉強 その4

さて。

前回の続き。


Cの希望なら、「はやく夜が明けてほしい」

Dの強調なら、「はやく夜がきっと明けるだろう」


どっちがいいか。


正解は、Cの「はやく夜が明けてほしい」だ。

Dの強調でとると、ちょっと意味不明な文になっちゃうでしょ?


これは男が、女を連れて逃げている途中の場面。

はやく逃げたいが、夜だから動けない。

だから、「はやく夜が明けてほしい」。

そして、もっと安全なところへ行きたい。


さてさて。

「なむ」がCの希望の終助詞とわかったので、「明け」は未然形ということになる。


ここまでのところを書き込んでみよう。

ちなみに、「〜と思ひ」と続いているので、「 」 」(カギカッコの閉じ)もつけてみる。

それだけでも結構、見やすくなるよ。

                
こんな感じ。                        ぽん!〜国語の勉強法あれこれ〜

で、「と」だけど、幸せの呪文 は覚えているかな?


そう。

鬼の咎より煮てから屁して(をにのとがよりにてからへして)」だったね。


だから「と」は格助詞。


次が「思」だけど、終止形にすると「思」。

行で活用していることがわかる。

そして、打ち消しの助動詞「ず」をつけると

「思(ーア)ず」というように、の音にくっつく。

だから、段活用動詞。


その次の「つつ」は接続助詞なんだけど、ちょっと辞書をひいてみて。


意味は次の3つが大事。

A 反復(〜しては、また〜して)

B 継続(〜し続けて)

C 同時(〜ながら)

蛍光ペンで印をつけておいてね。


それと、意味について、できたらもう一つ覚えておいてほしいことがある。

何かというと、和歌の終わりの「つつ」(つつ止め)。

「つつ」の後ろに本来続くことばを省略して、余情・詠嘆をもたせるんだ。

多分、キミの辞書にものってると思うよ。

見つけたら、すかさず蛍光ペンでチェック。


さて。

意味が確認できたら、接続を調べて。

連用形につく」とあるでしょ。(ここにも蛍光ペン!)

だから「思ひ」は連用形ってことになる。


ちなみに「思ひ(ー)」は四段活用だから、「ア・・ウ・ウ・エ・エ」と活用する。

形からみても連用形ということになるよね。

「つつ」をみての判断と、「思ひ」の形からの判断が矛盾してないので間違いなし。



ここまでのところを書き込んでみると、こうなる。ぽん!〜国語の勉強法あれこれ〜

posted by みちこ at 07:34| Comment(0) | 古文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月17日

古文の受験勉強 その3

それではいよいよ、古典作品の読み込みをやってみよう。


ここでは前回、例として出した文法全解伊勢物語

(「ぽん!のおすすめ学習アイテム 」で紹介)の芥川(6段)の

「(はや夜も)明けなんと思ひつつゐたりけるに、

 鬼はや一口(に食ひてけり。)」

のところでやってみることにするね。


まず、いらない紙(チラシの裏とか)を用意。

そして、右上に「明けなんと思ひつつ」と書く。


こんな感じ。                   ぽん!〜国語の勉強法あれこれ〜


で、「明」とは何か考える。


「明」は終止形にすると「明」。

行で活用していることがわかる。

そして、打ち消しの助動詞「ず」をつけると

「明け(ーエ)ず」というように、の音にくっつく。

だから、下二段活用動詞。

つまり、カ行下二段動詞ってこと。

※「明か(ーア)ず」だと思って、四段活用と勘違いしやすいので注意。

 「開く」「空く」の場合、四段と下二段と2つのパターンがあるんだけど、

 「明く」は下二段のみ。

 辞書で確認して、蛍光ペンで印をつけておこう。


次に何活用か。

下についている語は、「なん(=なむ)」だ。

「なむ」には次の4つの可能性がある。


A ナ変動詞(死ぬ・往ぬ)の未然形活用語尾+推量の助動詞

  →「死なむ」「往なむ」の形のみ


B 係助詞(体言、活用する語の連体形、副詞・助詞などにつく)

  →強調なので、取り除いても文章が変わらない


C 終助詞(活用する語の未然形につく)

  →他への希望を表す(〜してほしい)


D 完了の助動詞「ぬ」の未然形+推量の助動詞「む」

  →推量の強調(きっと〜だろう・しよう)


「なむ」は基本的に、何に接続しているかで判断できる。

でも、CとDの見分けについては厄介な場合がある。

Cは活用する語の未然形につき、

Dは完了の助動詞「ぬ」が連用形接続の助動詞ゆえ連用形につくんだけど、

未然形と連用形が同じ形の場合、前後の文脈から希望か推量か考えた上で、

判断しなければいけないんだ。


さて、今回はどうか。

まず「明けなむ」なので、ナ変動詞という可能性はゼロ。

選択肢Aが消える。

次にBの係助詞だけど、取り除くと「明け」となり、

意味がわからなくなるのでこれも消える。

Cの希望かDの強調か。


上の方で、「明け」は下二段動詞と判断したけど、

下二段動詞の未然形と連用形はあいにく同形。

文脈判断するしかない。


それじゃあ、前後を含めてみてみよう。

「はや夜も明けなんと思ひ」とある。

Cの希望なら、「はやく夜が明けてほしい」

Dの強調なら、「はやく夜がきっと明けるだろう」


どっちがいいと思う?

posted by みちこ at 10:41| Comment(0) | 古文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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